アルバイト定着で一番大事なことは何か。
一番大事なのは、名前で呼んであげること。
多くの企業が、人材の確保と定着を目指して、いろいろな取り組みをしていますが、何よりも大事なことは「名前で呼んであげること」だと考えます。
自身の体験
この考えに至った経緯として、
私自身が、働いていただいているスタッフのスケジュール管理をするポジションであり、毎日人手不足で困っていました。時給を上げてみたり、出勤回数に応じて手当をつけてあげたり、紹介料を支払ったりと、お金を使ってアルバイトを呼び込んでいました。
しかし、アルバイトの応募数が増えてせっかく入社しても、3日たたずに辞めるスタッフが7割くらいいて、定着率はかなり低かったです。もともと、体力仕事のためアルバイトが定着しにくい職種ではありましたが、これでは費用対効果が低く時給を上げた意味がないとと感じていました。
そんなある日、会社に内緒で小遣い稼ぎ感覚で、副業でアルバイトを始めた時でした。
初対面で自己紹介もしていないのに担当の社員の方が「〇〇さん、こちら来てもらえますか」と、自分以外にも10人近い新人がいたにも関わらず、名前で呼んでくれたことに驚きました。10年ぶりにアルバイトをして、30歳ながら緊張していましたが、仕事の間中ずっと名前で呼んでもらえて安心感と誠実さを感じました。
その職場は決して楽な仕事ではなかったですが、20人ぐらいアルバイトが勤めていますがほとんどが4回以上の出勤をしており自分の職場とは何かが違うと感じていました。何が違うか色々考えた結果、正社員の方がどんなに忙しくても、アルバイト全員を名前で呼んであげていたところではないかと考えました。
これが自分の会社のように新人がすぐに辞めてしまう職場と、人が定着する職場との大きな違いだなと感じ、自分の会社でも実践しようと思いました。
注意点
ただし、名前で呼ぶと言っても、
- 呼び捨て
- あだ名
- 下の名前
この3つはいかに仲良くなっても仕事場では、絶対にしてはいけません。
理由は、そう呼ばれない他の従業員が疎外感を感じてしまうからです。
大事なのは入社したての人材をできる限り早く輪に加えてあげることで、定着している従業員に対して必要以上に仲を深めることは必要ではありません。
実際に、私が働かせていただいた職場も、アルバイトの方に指示を出す前に名前で呼んであげるだけで、そのほか職場環境を良くするために取り組みをしている様子はありませんでした。
名前で呼ぶという簡単なことが、最も大事なことであると私は考えます。
アルバイトが仕事を辞める理由
アルバイトが仕事を辞める理由第一位は「人間関係」です。
時給を上げることは大事ですが、その効果は人材の定着ではなく、人材の募集時に効果を発揮します。
いくら給料が良くても、ぞんざいに扱われては、新人とはいえ気持ちがいいものではありません。それなら、少し給料が安くてもある程度大事に扱ってくれる職場にいたいと考えるのが、一般的です。
そういった職場環境を作ることができるのは、管理職クラスではなく、実際にアルバイトと接する一般職にしかできません。名前で呼ぶという簡単なことを従業員全員に徹底させることが、長く続けられる職場環境を作るポイントです。
一度、自分の職場で名前呼びができているか確認してみてはいかがでしょうか。